2.宝光社・火之御子社編)2020年6月エリックジャパンツアー 戸隠五社巡りの行程
前回のブログでは戸隠の歴史についてご紹介いたしました。
ここからは「2020年エリックジャパンツアー戸隠」で巡る行程をご紹介したいと思います。
今回のツアーでは戸隠五社を巡ります。
森の中の古道をゆっくりと歩く旅です
1.宝光社
2.火之御子社
3.中社
4.奥社
5.九頭竜社
の順に参拝していきます。
戸隠神社奥社ができてから約200年後の1058年8月26日。
奥社から五十町ばかり下った大木の梢に光を放って輝くものが現れました
不思議に思った人々が集まってみると、それはなんと、神鏡に神仏を刻んで祀る「御正体(みしょうたい」だったのです。
その時、12 ~13歳の女の子が身悶えして苦しみ、地面に横たわって気絶してしまいました。
人々が「どうしたのか」と騒いでいると、その女の子は
「我は当山権現の先駆けで、左方に立つ地蔵権現である。
さて、あそこは結界の地であって、女人は締め出されている。
それ故、仏様の思いと違い、衆生済度の請願もままならず、人々を救うことが思うようにできないでいる。
できればここに堂を建てて我を安置しなさい」
と言うではありませんか。
その言葉をすぐには信じられない人々が
「本当に神託ならば、ここにいる僧俗の誰かの袂にお移りください」
と言いますと、人々の中にいた1人のお坊さんの袖に何かが飛び移りました。
皆でそれを見てみると、袖には地蔵菩薩像が入っていました。
人々はすぐに社を作り、庵室を建てて、その尊像を安置しました。
その後、「御正体」が飛んできたところは「伏拝所(ふしおがみしょ)」と名付けられました。
戸隠神社は江戸時代までは顕光寺という神仏混淆のお寺でした。
ここで地蔵菩薩が登場しているのはそういう理由です。
お地蔵さまは子どもを守る仏様です。
ですから、宝光社は女性と子どものための神社です。
社殿までは長い階段があるのですが、階段を昇れない人のために「女坂」という緩やかな坂を通っていく道も造られています。
ここのエネルギーは、実際、とても柔らかく女性的です。
なお、本地垂迹説(仏が神の姿をとって日本の人々を救いにいらしたという考え)では、
地蔵菩薩=天表春命(あめのうわはるのみこと)です。
天表春命の父神は、
天照大御神が岩戸にお籠りになった時、天照大御神に岩戸から出て頂くための知恵を神々に授けた
八意思兼命(やごころおもいかねのみこと)です。
そして、兄神は岩戸を外して遠くへ飛ばした天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)です。
天表春命は邇邇芸命(ににぎのみこと)に先駆けて地上に降臨した饒速日命(にぎはやひのみこと)のお供をした三十二柱の神々の1人です。
また、「春」と「墾(はる)」が同音なので、開墾と結び付けて開拓の神とされることもあるようです。
2.火之御子社
宝光社の境内から森の中を抜けて中社の鳥居の脇に通じる山道を「神道(かんみち)」といいます。
由来
天岩戸に隠れた天照大御神を誘い出すために、岩戸の前で踊った天鈿女命(あめのうずめのみこと)が祭神です。
舞楽・芸能の上、結縁の上、火防の神さまとして親しまれています。
他にも、高御産巣日神、天忍穂耳命、栲幡千千姫命が祀られています。
火之御子社は大通りからは見えにくい静かな場所にあります。
太陽神がお隠れになって、世の中が暗くなってしまった時に、天鈿女命は明るく楽しく踊って見せます。
踊っているうちに衣がはだけて殆ど裸同然になっていきます。
これは天鈿女命がもたらす「開放のエネルギー」を象徴しているものと思われます。
ですから、深刻になっていた他の神々も心が解き放たれて、笑い出します。
心が閉じてしまった時、再びハートを開くきっかけは遊び心なのだということを感じます。
実際、この空間からは、澄んで軽やかな遊びのエネルギーを感じました。
境内には西行法師が子どもたちと戯れたことにちなんだ「西行桜」が植えられています。
次のブログでは中社をご紹介いたします。
つづく
「2020年6月 エリックジャパンツアー
戸隠五社巡りの行程(1~6)」はこちらからどうぞ
シルフェ 阿部小百合